サーバ2台で冗長化構成 x リアルタイムにバックアップ = 安心BCP対応
素早くローコストに導入できる、遠隔バックアップ・ソフトウエア
--- アリビオバックアップの原点は、Grooveと伺ったのですが ----

「はい、そうです。私は、2001年から都内のあるIT企業で、USのベンチャー企業Groove Networks社が開発した
”Groove Workspace”というP2Pア-キテクチュアベースのグループウエアの日本における代理店販売事業に携わり、
その技術マネージャーを担当していました。
Groove Networks社は、Lotus Notesの開発者のひとりである
Ray Oggie が
1997年にUSマサシューセッツ州ボストン近郊で設立したベンチャーIT企業です。
代理店契約交渉やテクニカルクラスルーム、品質改善ミーティングなどで、年に数回は渡米しGroove社を訪問していました。」
--- 海外出張が多かったんですね ---
「ええ、その会社に勤める前、ボストンを本拠地とする外資系IT企業の日本法人に勤務していました。
だから、Groove社と関わる以前より何度もボストンを訪問していました。
退社後、すぐにGrooveに出会い、再びボストンに行き来するようになるとは思っていなかったので、
なにか縁があるんだなって感じました。」
--- というより、その外資系企業での期間は、Grooveとの出会いへと続くプロローグだったのでは? ---
「そうかもしれませんね... 余談ですが、Groove社の何回目かの訪問時、打ち合わせしていたGroove社のスタッフが所用で
暫くミーティングの席を外して戻ってきたら、『いつも外出しているRayが、今日は社内に珍しくいるから、逢って行く?』と言われて。
そしたら、その後すぐにRay御当人がミーティングルームに入ってきて暫し会話できたんです。
Rayは、思っていたより小柄で静かで、知性的な方でした。」
「その後、Groove社は、2005年にMicrosoft社に買収され、Ray自身もMicrosoft社の最高技術責任者に就任しています。
唯一のプロダクトであるGroove Workspaceは、Microsoft Office スイートの1プロダクトとして
Office Groove 2007にバージョンアップされ、
日本でも販売されています。」
「このGrooveっていうグループウエア、面白い製品なんです。もちろん”仕掛け”も独創的で面白いのですが、
なにより衝撃的だったことは、ユーザ個人の基点でグループウエアを製品化した点でした。
日本のグループウエア製品であれば、”まず組織ありき、組織の中の個人”、という視点で機能を網羅して製品化してしまう。」
「しかし、Grooveは逆なんです。”まず個人ありき、そしてその個人が属する組織”、という視点で製品化しているんです。
その背景には、ユーザ個人のアイデンティティの尊重がある。
それは、時と場合によってそのアイデンティティの属性が変わるのは当然だよね、ってことなんです。
例えば、家の中で子供といる時は『お父さん』。でも会社行ったら『課長』。
アフターファイブのパブの中では愛称で呼ばれ、帰宅後、奥さんと語らう時には『あなた』。
その時、その場に応じて、個人の呼称も変わる。
それは、周囲の人々との関わりあい方も異なるしコミュニケーションの仕方も変わる、ということに他ならない。
その考えが、Grooveという1プロダクト創造の土台にある。」
「その背景には、Ray自身の思想の反映があるのでしょう。
組織や国など、従来人々を囲い拘束してきた様々な境界、時差、はては民族や文化など違い....
眼に見える障壁、見えない障壁...
それらがインターネットによって急速に取り払われて行く。
グローバリゼーション進行の中、私達の日々の暮らしや営みが、どう変貌していくのか。
個人が世界を相手に情報発信し、あるひとつの目的のために、不特定多数の人々と有機的に結びついてコラボレーションし、
ナレッジを生みだしつつ、如何に目標を達成し新しい功利を創造するか...
そのために個人と個人を結びつけるツールは、どうあるべきか.... など、
哲学的な広がりというのでしょうか、それをとても強く感じたんです。
でも、それに共鳴しちゃうってことは、私自身の心にも、Rayの思想に共感する何か、
それは人と組織との結びつきとか関係とかへの疑念というのでしょうか... 長い間蓄積されていたのでしょうね。」
--- うーん、なるほど... それが商品として成立するためのテーマとか思想.... のようなものなのでしょうね ----
「そうだと思います(笑)。やはり、彼らは、ITの専門馬鹿ではけっしてない。
テクニカルやロジックなもの以外への広い視野と知識の吸収、深い思慮、
それは宗教的なもの文化背景なども影響するのでしょうが、
深いところから生まれ来るビジョンや哲学的なもの....を強く感じます。」
--- ところでGrooveによって、アリビオ創出に繋がる何を見つけたんでしょうか ---
「脱線しちゃいました(笑)。Grooveって、データ共有の仕方がすごく面白い。
普通、データ共有といえば、中央のサーバにデータを置いて、ユーザがサーバにアクセスして共有します。
サーバという1つのインフラさえあれば、皆でアクセスできるから、最も効率がいい。」
「しかし、Grooveは逆なんです。共有するデータはクライアントであるユーザPCに複製分配して置いてしまう。
そして、同期を掛けてデータを等しくする。それもクライアントPCがオンラインであれば、リアルタイムに。」
「だから、クライアントPCがインターネットに接続されていないオフラインの状態でも、
ほぼ最新に近い共有データがローカルに保存されていることになる。
飛行機や新幹線の中、携帯の電波が届かない北海道の原生林の中でも共有データにアクセスできる。
ああ、最近じゃ新幹線の中でもインタネットできるんでしたね(笑)。
オフラインのときに共有データを更新したなら、PCがオンラインになったとたん、自動的に他のユーザに配信され同期が行われる。」
「この仕掛けは、まさにリアルタイムで複数拠点に置かれたPCへの自動遠隔バックアップとか、
自動遠隔データレプリケーション.... そのものなんです。これがアリビオの原点なんです。」
--- なるほど... でも、どのPCにも同じデータが同期保存されることは、ストレージ消費面ではデメリットですよね ---
「確かにそうですが、将来的なHDDの価格低下トレンドやPCの実装HDD容量の増加トレンドを見越していたこともあるのでしょう。
しかし、それより重要なことは、Rayの設計思想にはユビキタス視点でのコラボレーション機能の実現が欠かせなかった。
HDDの消費というデメリットより、『いつでも・どこでも』共有データにアクセスできることとのトレードオフです。
そして『いつでも・どこでも』という機能視点には、セキュア要件が欠かせない。
データの暗号化技術が必須となる。そして、P2Pの自律的なデータ配信技術も必須になる。」
「当時のGroove社にとってUS官公庁は、お得意さまだったようで、Grooveをペンタゴンに納入し、軍需関係のツールとして利用されていた。
だから、セキュア機能での要求レベルが非常に厳しい。言いかえると、Grooveはとんでもなく強力な暗号化ツールなんです。
ファンクション毎に異なる暗号アーキテクチュアを多重に組み合わせ、そして暗号強度も変えながら通信を行っていて、
最低でも1092bitの暗号化強度を持っている。だからGrooveが製品化されてもリリースされなかった。
いや、出来なかったんです。それは当時USの暗号化に関する法規制が非常に厳しかったから。
規制が緩和されて、やっとリリース出来た、ということのようです。」
--- そうなんですか... わずか数万円のアプリでも、スパイが使えるほど高セキュアな製品なんですね ---
「実際にCIAとか使っているかもしれませんね... また脱線してしまって...(笑)。
で、実際にGrooveを使ってみると判るんですけど、自分が普段使っているPC以外に、それが他人のPCでも、
大切にしているデータがリアルタイムで複製保存されているのって、非常に安心感を感じるんです。
これは、話を聞くより実際に体験してみると、すごく実感できるんです(笑)。」
「Grooveを利用している、ある大手電機メーカでは、PCの入れ替えや、HDDクラッシュしても、
『他のメンバーからレストアすればOKなんだよね?』とカリカリ感どころか、ゆるゆる感一杯で問合せしてくるんです(笑)。
データがちゃんとバックアップされているって実感があると、心に余裕が生まれるんだなって強く思いました。」
「それで、Grooveのデータ共有の仕組みを利用すれば、
リアルタイムでセキュアな遠隔バックアップシステムが容易に作れてしまうと思ったんです。」

「でも、バックアップって個人的な利用を求める側面が強いと思うんです。
自分ひとりしかアクセスしない大切なデータです。
共有データより、そんな個人的なデータの方がストックが多くてバックアップしたかったりします。」
「Grooveは、1つのユーザアカウントを複数のPC上で使えるんです。
この機能を利用すると、いつも使っている事務所のデスクトップPCも、社外で使うノートPCも、自宅のPCも、
みな同じデータ環境になるよう自動的に同期される。」
「この機能は、まさに遠隔バックアップに最適だと思いました。
なにより、VPN設定や会社の構内のファイヤーウォール設定変更など一切不要で、非常に高セキュアに通信できる。
それもわずか2万円のソフト1本で。これを使わない手はないと思ったんです。
だから、アリビオと並行して、弊社で取り組んでいるGrooveソリューションでは、
Grooveフォルダ同期というサービスもラインナップしてます(笑)。」
--- なるほど... ということは、iDCのサーバにGrooveを実装して、Grooveを使ったバックアップサービスを提供しようとしたんですか---
「そのとおりです(笑)。それでWebで既存の遠隔バックアップサービスの商材をリサーチしたんです。
機能のばらつきはあるのですが、どれも大掛かりだし、莫大なコストがかかる。
これに違和感をすごく感じました。なんでこんなにお金掛かるのだろうか?
Grooveひとつで、同じこと、いやそれ以上のことができるのにと。」
「それから、実際にリサーチして判ったんですが、大企業はともかく、中小規模、零細規模の事業所では、
ローカルバックアップしているものの、それ以上のソリューションに手を出せない。
データは日々増えていく、決して減ることはない。ファイルサーバにバックアップしたり、
CDROMとかテープとか別のメディアにバックアップしてる。
だけど、バックアップしたデータ自体は、同じ事務所の中で保存する以外に術がない。
だから、『地震とか火事とかになったら、もう腹くくるしかないよね』って。これが現実なんだなと。」
「だからこそ、どなたにもお財布に優しい遠隔バックアップが必要だと思ったんです。
なにもディザスタリカバリのようにHDDまるごとバックアップしなくとも、
日々もっとも利用されるファイルさえお客様の事務所の外に置けるようにしてあげられたら、と強く思いました。」
「それは、普段、オフィス1拠点で総ての業務を行っていて、
それ以外に安全なデータの置き場がなく困ってるいる企業様や個人事業主、士業、SOHOの方に使っていただける
遠隔バックアップを提供することなんです。」
「複数の営業拠点を構えた中堅以上の会社であれば、拠点相互にバックアップシステムを置けば、
なんとか遠隔バックアップもどきの仕組みを仕立てて運用できるでしょう。
特に大企業は、コンプライアンスやセキュリティ規則で、社内データを外に出すこと自体が難しい。
だから極論すれば、従来の大がかりで高セキュア、そして企業体力があるなら、
その分コストのかかる遠隔バックアップソリューションを選べばいい。」
「中小規模以下の会社の多くは、幾ら遠隔バックアップが欲しくとも、コスト的に手が出せないんです。
でも、規則や制約に縛られることもなく比較的自由で大胆なチャレンジができる。
低コストで導入がカンタンですぐ始められること。
そして、オフィス内にしか保存せざるを得なかったデータを、外の安全な場所に分散保管できて安心できる。
その上、事業継続への取り組みもアピールできて、会社の価値も向上できる。
そんな遠隔バックアップサービスを、日本の企業の8割以上を占める中小企業の皆様に提供し、
データ保全に少しでもお役に立つなら嬉しいなと思ったんです。」
「でも、問題に直面したんです。GrooveやGrooveサーバソフトウエアのEULA(ソフトウエア使用許諾契約書)を読むと、
Grooveは、あくまでプライベートにしか使えない。
不特定多数のユーザへのサービスは勿論、iDCのサーバにインストールすることも出来ないと明記されています。
これには、参りました(笑)。」
--- それで、どうしたんです? ---
「Grooveが使えないのなら、いっそ、その代わりに遠隔バックアップ専用のWindowsアプリを開発してしまえと(笑)。
これだと、バックアップ目的でお引き合いいただいたお客様に対して、
Grooveというグループウエアソフトをバックアップ用途に購入していただく必要がない。
それと、Grooveの利用を前提にすると、最初からユーザを限定してしまいます。
だから、Grooveの代わりに遠隔バックアップ専用のWindowsアプリを創ってユーザに提供するようにしようと。
これなら、Windowsユーザならすぐ使えます!という条件だけですから、どなたにも受け入れられやすいと考えました。」
「そのために必要な要件。1つ目は、リアルタイムでデータをバックアップすること。
2つ目は、インターネットできるPCさえあれば構内のファイヤーウォールに手を付けずに通信透過して、
遠くのバックアップサーバと容易にコネクトできること。
3つ目はデータの暗号化やファイル名の偽名化などの秘匿機能です。」
「リアルタイムのバックアップ、ファイヤーウォール透過については、すぐ実現可能であると思いました。」
「暗号化については、性能的に必要なレベルをリサーチしました。
その結果、ユーザは必ずしもGrooveほど強力な暗号化を求めていないことに気づきました。
あるお客様などでは、ファイルが簡易に暗号化され容易に解読できないのであれば、
通信経路上の暗号化は、データ転送パフォーマンス落ちるから不要だ、などの意見をいただきました。
官公庁のや大企業のように法的規制のしがらみの少ないごく普通のユーザにとって、
暗号強度がいくつか?暗号化アーキテクチュアが何か?などより、
データが第三者から容易に読めるか読めないか?の方が重要なことであって、
またデータ転送効率が高ければ高いほど嬉しいんだなと思いました。
だから、高速な暗号アーキテクチュアでパスワード1発で暗号復号化した方がいい。
仕掛けもカンタンで必要以上のパフォーマンス・利便性の低下も招かない。」
「あと、クライアントとサーバとの1対1の通信なので、GrooveのようなP2Pの仕掛けも要らない。
意外と容易に実現出来るなと思ったんです。」
「それでアリビオバックアップLiteを作ったんです。開発には3か月かかりました。ただ、当初から問題がありました。」
--- それは、どのような問題でしょう? ---
「1つ目は、オペミスでのファイル消去が避けられないことです。
クライアントPCでバックアップ指定したフォルダ内のファイルはすべて、サーバのバックアップ領域と同期しています。
だから、クライアントPCサイドでファイルを削除すると、サーバ上のバックアップファイルも削除されてしまう。
クライアントPCがクラッシュした場合には、同期は機能していないのでサーバ上にはファイルがそのまま存在しレストアできますが、
ユーザの操作ミスでファイルを消してしまった場合には、同期が機能するとサーバ上のファイルも削除されてしまう。
だからレストアできなくなる。
アリビオバックアップLiteの後継となる現在リリースしているアリビオバックアップでは、
クライアントPCからファイル削除命令をサーバが受けると、削除対象のファイルをサーバの世代管理領域に移動させて、
一定期間しっかり保存するようにしています。」
「2つ目は、アリビオバックアップLiteで大きなファイルをバックアップする場合、通信エラーが発生することです。
ファイル自体は、ちゃんとバックアップされるので実質的には問題が無いのですが、ユーザには気持ちがよくないんです。
これは、ファイヤーウォール透過通信のためにHTTPを使っているため、
データ転送途中でコネクションタイムアウトが発生するからなんです。
アリビオバックアップLiteの後継であるアリビオバックアップでは、通信処理をマルチスレッド化し、
コネクションを維持する仕組みを実装し、エラーを生じさせないようにしています。
だから、大きなファイルでも安心して気持ちよくバックアップできるようにしてあります。」
「3つ目は、バックアップ処理パフォーマンスです。アリビオバックアップLiteでは、
当初サーバをUSカルフォルニアのiDCに設置していました。
その結果、どうしても通信経路が長くなり、伝送速度が遅くなる。
アリビオバックアップLiteの後継であるアリビオバックアップの実現とあわせて、
バックアップ拠点を、USカリフォルニアから、札幌と福岡2拠点の国内iDCにしました。
両拠点の弊社専用サーバハウジング内に、弊社所有の専用サーバ設置。
UCOMの光ファイバー回線を導入し、高速で快適なネットワーク環境を実現しています。」
「USカルフォルニアのiDCの時と比べて、伝送速度が約2倍以上高速となりました。
現在、アリビオバックアップLiteのサーバも、札幌iDCに移設し、より快適なサービスを提供出来るようになりました。」
--- アリビオバックアップは、さまざまな点で使いやすくなってるんですね ---
「はい、アリビオバックアップは、アリビオバックアップLiteを元に、より幅広くご利用いただけるよう、
さまざまな機能を盛り込みました。
ローコストでどなたにも気楽にご利用いただけます。
いつもの活動拠点の外、それも遠く離れた安全な場所に、
大切なデータが常に最新の状態で確実にバックアップされている『安心感』をぜひ実感していただきたいです。」
「もちろん、現時点で完成というわけではありません。
ユーザの皆様の声に耳を傾け、より安全で利便性が高く、
コストパフォーマンスに優れた遠隔バックアップ・ソリューションとして進化させていければと思います。」
---最後に、バックアップの意義をひとことで言い表すなら---
「データとは、目標を現実のものとするために活動する人々の過程や成果の反映です。
その中には、時間をかけて蓄えられたノウハウやナレッジも含まれています。
お金は、努力・時間次第でいくらでも回収することができます。
しかし、人々の尊い営みを反映したデータがひとたび失われたとすれば、それは決して容易に取り戻せません。
『データ』こそ、企業の最も守るべき『財産』なのではないでしょうか。」